第5回山岳グランフォンドin吉野

2008年7月27日

レポート by シブヤ


パンクなんて当たり前?!おまけに超級山岳?!無事に完走できればめっけもん?!
完走率が例年50%前後という過酷なグランフォンドにMな3人が参加しました。

某雑誌に紹介されていたある大会の記事に心奪われた二人が忘年会の席の片隅でヒソヒソと「来年行こう」と密約していた。
相手はちゅんさん。その記事には“超級山岳グランフォンド”とあり獲得標高は「合宿の比じゃありませんよ、石見の比じゃありませんよ」の3000m超! 
“国内で最もハードなグランフォンド”と言うふれこみでスーパーロング(180km)の完走率は例年5割前後となんとも魅力的である。
今回、この挑戦しがいのある魅力的な吉野に参加したのは、ロードレースには余り興味はないが、なぜかエグイ系に惹かれる“物好き達”シブヤ、ちゅんさん、Omonishiの3名である。

捕食の山。いたれりつくされである。参加するには完走したいが、何せ『初物・ハツモノ』なもんで、どれ程の脚があれば完走出来るのかサッパリわからん・・・。
チーム内ではOmonishiさんが前大会にコッソリ初参加しているが途中リタイヤしている。

坂がソコソコ上れるはずのOmonishiさんがリタイヤとは、かなり手強いコースか?・・・という事で春から『目指せ!吉野完走練』に励み、冬に腰を壊していたちゅんさんも無事回復し、春から『目指せ!吉野完走練』に励むのであった。

大会前日 朝9時にちゅんさん邸に到着。Omonishiさんをピックアップしてちゅんさん号で一路奈良へ。

完走出来ますように(祈)会場の下千本駐車場に到着するや否や主催の方が近寄ってきて「ケンズさん広島からようこそ!」と。
その方によれば定員は500名だったが締め切るタイミングを逃してしまい600名近く受け付けたらしい。ちなみにその主催の方、チームケンズを知っているらしい。

それどころか翌日、車からスタート場所に移動する間や並んでいる時もたくさんの他チームの方から「ケンズさん!」と声をかけられました。

*【メンバーのみなさん!遠い他府県だからといっても油断はできませんヨォ~! 
みなさんが思っている以上に知名度あります。
見てくれ(?)だけでも紳士、淑女でいましょう!】  

さあ、飲むぞ~!受付開始まで時間があるので先に宿へ向かい一息することに。
大会参加者は吉野の民宿が(旅館は別)が統一価格になっていて一泊二食付で¥6800!参加者にはウレシイ配慮であります。

受付を済ませ宿に帰り、コース図を広げ主な峠の位置や長さ、エイドや給水の区間距離を確認しながら作戦会議。 

ハツモノなんで携行品も何をどんだけ持って走ればいいのかわからなかったが、用意してきた3パターンの中から1つに決定。

少しだけブラブラ散策して旅館に帰り夕食をいただく。おかわり4杯でカーボローディング、ビールもグビッ!グビッ!グビッ!(ぷはぁ~)

朝から眩しいぐらい、陽が照ります。当日 朝5時に起床して用意を済ませ5:30に朝食。
6:30頃、会場に行くと既に満車。どうにか強引に駐車して自転車を降ろしスタート地点に並ぶが、まだ7時前だというのに強烈な日差しで汗がダラダラ流れ出る。「こがいな暑さでホンマまともに走れるんかぁ!?」

そして7:00から10人位づつ30秒おきにスタート。出発後、すぐに吉野神宮前の激坂を吉野川まで下る。
でも“スーパーロング”は最後の最後にこれを上らんといけんらしい(げっ!)  

下って吉野川沿いを走り津風呂ダムの木陰になっている湖畔を気持ちよく抜け、のどかな里山をダラダラ上り、最初の給水ポイント(27km地点)に到着。

補給はたっぷり。これだけ食べに行く?前日の作戦会議でちゅんさんと自分は『ボトル1本満タン再スタート作戦』で走ることにしているので、立ち寄って給水再スタート。
一発目の軽めの峠(でも標高約700m激坂あり)を越え最初のエイドステーション(41km地点)に到着。

ゼッケン番号のチェックを受け補給開始!柿の葉寿司、おにぎり、梅干、アンパン、ジャムパン、バナナ、オレンジ、水にお茶・・・噂どおりでウハウハ!!!

補給後しばらく進むとコース最難関の峠らしい“足ノ郷越(980m)”の登場!標高差700m、平均勾配10%が6キロ以上つづくこの峠、途中で脚を休める所がほとんどなく荒れた所では小さな石がゴロゴロ、おまけに偽峠が3、4ヶ所あり精神的ダメージも・・・。

休憩も、もちろん山の中。ここで脚を使い過ぎると後半もたないらしい、かといってユックリ上ると関門時間に間に合わないし。

蛇行する人、止まりそうな人、止まった人、攣ってる人、押す人・・・その様相はさながら修験道を自転車で上る行者達のようだ。

特にノーマルクランクで25Tの人はごく一部の健脚を除きかなりキツそうだった。普段はたいがいの激坂でも21Tで強引に上る。

が、今回は後半まで脚を残す為と、スポークを折らないようにと吉野用に25Tを装着して来たのだが、これが大活躍!(27Tがあっても良かったかも・・・)

ものの見事に切れてます(泣)小石ゴロゴロ細道区間でライダーの荒い息しか聞こえない中、突然「パーーーン!」と破裂音が・・・
すぐ近くで誰か石を踏んでパンクしたみたいだ!!!ワシじゃった・・・・!

「おそらくカットパンクだろう」と見るとタイヤが見事に5cm程ザックリ切れている。 Omonishiさんが予備タイヤを持っていて「良かったら使って下さい」と・・・。 

しかし王滝finisherとしては出来るだけ自力で完走したいので、持参してきた古タイヤをカットしたのを裏からあてがい空気を入れてみる。
今日はどうにか走れそうだが、この新品のミシュランpro2は本日限りでご臨終である(号泣)

修理後、再スタートしてピークの給水に到着しボトルを満タンandバナナ。
そして“チョー激上り”の後の爽快なダウンヒル・・・と思いきや下りも“チョー激下り!” 急勾配で路面は粗くグレーチングの段差や小石は当たり前。急減速=落車のMTBライダー向きの長~い下りだ。 

至る所でパンク、パンク、パンク、パンク修理大会。ここは小さな石も避けられる位慎重に下った方が良いみたいだ。(でも上りでパンクしたんはワシだけじゃったような・・・)

下り切って川沿いの国道に出るとつかの間の平地区間があり、7,8人の列車の先頭を牽いて川上村給水所に到着。ここから次の難関“五番関”12kmのヒルクライムの始まり。 

山だらけであります。スーパーロングはこの“五番関”が最初の足切りポイントになっていて12:30までに通過しなければショートカットコースに回されてしまう。最初の2km位はかなりの急勾配でいきなりインナーロー(汗)!Omonishiさんが次第に遅れ始める。

沢沿いに出ると勾配は緩やかになり、脚を休めたくなるところだが心拍計を見ながら強度をキープしたまま、クルクル回しながら、乳酸を抜きながら、スピードアップ。

今日の上りは全部ちゅんさんの心拍がAT値を超えないようイーブンペースで走るつもりだ。そうすれば“吉野トレ”を積んで来たちゅんさんは確実に完走できるはず。しかしOmonishiさんは既に見えなくなっている。 
出来る事なら待って牽いてあげたいところだが制限時間に間に合わなくなる恐れもあるので、そのまま2人で上り続ける。

黄金のステッカー!ちゅんさんと自分はこの“グランフォンド吉野スーパーロング完走”が今年最大の目標なのでなんとしても完走せねば。「Omonishiさん許してネ!」
世界遺産の森林浴と景色を汗ダーダーで楽しみながら、上って、上って、上ってやっとトンネル。

トンネルを抜けると五番関エイドステーション(88km地点、標高1100m)。番号チェックを受けスタッフがヘルメットに関門通過の証『良くできました金色シール?』を貼りながら「関門通過おめでとうございま~す」(この金色シールを目印にスタッフがコース分けするみたいだ)

エイドで食い溜めをしながらOmonishiさんの到着を待つが5分経っても10分経っても現れない。ちゅんさんと2人でトンネルの出口を見ながら待つが出て来ない。刻一刻と近づくタイムリミット。

そしてPM12:30・・・Omonishiさん間に合わず・・・。

我々も次の制限時間があるので先を急がねばならない。
トンネルから出て来る人を見ながら「もう一人出て来るのを待とう・・・もう一人・・・もう一人・・・」と何度も言いながら10分近くトンネルの出口を見続けていたが、Omonishiさん現れず・・・
ロングコースで無事完走するのを祈りながら出発。

走っても走っても山の中。下り始めは急坂ですぐに?(多分)快適なダラダラ下りになるのだが、このあたり、ホンマにスバラシイ美林が広がっている。コース全般にいえる事だが、古の時代から山岳信仰の地域だけあって“神々しく”なんか居心地がいい。

洞川温泉を抜けさらに下っているとヘアピンで参加者の一人が観光バスと接触、落車していたようだが幸いにも大した怪我ではないようだ。ダウンヒルは確かにキモチイイがここは一般公道。

いくら田舎道とはいえ対向車が来て当たり前!無謀なダウンヒラーも見受けられたが、大会中ともなればサイクリストのマナーの悪さばかり目立つし、事故が起これば次回開催にも影響を及ぼすし、もう少し慎重に下りたいものだ。

まだまだ余裕?の笑顔である。下りきってロングコースとの分岐を過ぎると、川沿いの下り基調の平地区間が続くらしいので、ここでスピードアップして時間稼ぎをする。少々ブッ飛ばしても木陰が多く標高も高いので涼しくて快適♪だが薄暗い場所も多いのでライトは点滅させたままにしておく。

便乗してくる人も次第に増えまたまた10人程の列車になっているが、後続車両は赤の他人なのでおかまいなしに牽きまくり、残ったのは6人程。途中一度、ちゅんさんに先頭を代わってもらい2両目で少し休憩させてもらい見通しの良い場所で再び先頭へ。

牽き疲れてきたので「ちょっと休憩さしてもらおうやぁ」と、2人でケツまでさがる事に。

道幅は広くないし見通しの悪いコーナーも多いので、さがるなら最後尾で少し車間を空けないと「見知らぬ人の真後ろは信用できん」という事で最後尾までさがっていると列車に乗っかってきた人達から「助かりました!ありがとうございます!」とお礼の言葉が♪「いやぁ!牽いた甲斐ありました!」

しかし、その直後、橋を渡ると目の前に平地区間の終わりを告げる『坂』。結局、平地のほとんどを牽いてしまった。
上りにはいるとみんな切れてしまったが、それに代わってチームメンバー5,6人で走っているグループに追いつく。
「誰かいいペースの人いないかな~?」と観察していると、きっちりイーブンペースで上っている方を発見。

スピードもいい具合なのでしばし御一緒させてもらう。結構な勾配を5km程上り、もう一発ダラダラ坂を越えて3つ目の“野迫川エイドステーション(132km地点)”に到着。このまま東に行くと高野山が目の前だ。

柿の葉すしが、たんまり♪ここでは同じ豪華メニューに加え豆腐と豆乳もあるでは! 「I need タンパク質!」・・・回復用にタンパク質も補給♪ 勿論、その他のメニューも一通り「ご馳走様」。

ここから最終関門までは十分時間があったので、少しばかりゆっくり休憩して出発すると・・・まだまだ上らせます(汗)。
峠のトンネルを抜け一旦、和歌山県に入り「やったぁ~ 上りは終わりじゃ~!」と喜ぶが『吉野』はそんなに甘くなかった。

チョイと下ってすぐに上り返しが待ち構えているでは。「今日はもう上りは見とうないどぉ~!」と心の中で叫ぶワシ。集落を抜け再び奈良県に戻りやっとダウンヒル。

念願の完走である。少し下って尾根道に出ると思っていたより標高の高い所だったみたいで絶景が広がっている。後で見ると標高は約500mで木陰メインの田舎道。「どおりで涼しいはずじゃっわっ!」

きれいな山並みと森林浴を楽しみながら快適な(注、多分!)ダウンヒルを楽しみ下界の五條市まで下ると、一変してそこは真夏の灼熱地獄!日陰は全くなくなり、走れば温風、止まれば熱風、暑いのなんの。

少し走って最後の給水(160km)に到着。 ここは最終関門も兼ねているのでストップするがゼッケンの番号チェックはなく、ボトルを満タンにして自販機でコーラを飲んで「あと20km!やっと終わりが見えてきたぞぉ~」と出発。

これまた完走。おめでとう。信号待ちで追いついた方たちと旧道の平地を30km程でダラダラ走る。
時折、吉野川沿いに出るとあちこちでバーベキューやら水遊びやらに興じている人達がたくさんいて・・・「水に浸かりたい」誘惑と戦いながら、ひたすらゴールを目指す『惰性で転がる行者達』。

みんな表情は“ぐったり”している。『あと2km』の看板を右に曲がると生活道というか旧道をゴールに向け最後の上り。

で、最後の最後までクセモノで当然インナーロー! おまけに苔まで生えていやがる!吉野神宮の脇から本道に合流しゴール前の最後の激坂は「三年ぶりに坂が壁に見えましたヨ・・・」。そして「ゴオォォォォォォ~~~ル!!!!」

スーパーロング完走出来なくて、後ろで少し控えめ。完走証を受け取りすぐさまアイスを食べに売店に直行! ちゅんさんも同じくアイスを食べにやって来た。Omonishiさんは少し前にゴールしていたようだ。

ショートカットコース(といっても150km)で無事に完走したみたいで一安心。

吉野山を降りて温泉で汗を流し、帰路に着く車の中でメンバーに送った完走報告のメールは確か『グランフォンド吉野に興味を持ってる方々>メチャしんどいでェ!やめとった方がエエよぉ!』だったような・・・。

ゴール後の正直な感想である。しかし、「喉もと過ぎればナントカ・・・」で一週間も経てば「オモロイ!また行きたいわぁ!」と言う坂バカ二人。。。。。

今回の携行品は以下の通り
ボトル一本(給水、エイドがほど良い距離にあり毎回立ち寄るなら一本で十分、ノンストップならダブルボトル)
ジェル×3 (ジェルフラスコに入れ上りで小腹が空いた時に補給)
パワーバー×3(一応持って行ったが出番は全くナシ)

予備チューブ×3(パンクしました♪)、グレースパッチ、カットタイヤ、携帯工具、ポンプ 粉末ドリンク(CCD×3、アミノ酸×1)
携帯カッパ(五番関からの下りは天気が悪ければ寒そう、コースの大半は標高が高いので冷えるかも)
ライト&尾灯(なければ規定で出走させてもらえません。
木陰が多くしかも暗い所も多いので新品の電池で点滅さっぱなしが良いかも)

エイドのメニューが充実してるので、クソ暑くても固形物が食べれる胃腸があればホ休職を持って走る必要はナシ。
噂では来年あたり“スーパーロング・プレミアム210km”なるものが新設されるとかどうとか・・・ 「みなさん、いかが?」

全コースの出走551名。 スーパーロング268名(完走168名) ロングコース172名(完走97名)
所要時間、9時間30分(実走時間、7時間50分) 消費カロリー、5100kcal

BY シブヤ



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